『ザ・ビートルズ 解散の真実』
[著]ピーター・ドゲット
[訳]奥田祐士
[発行]イースト・プレス
一九八〇年一二月、残されたビートルズのメンバーはそれぞれに個人的な喪失感を味わっていたが、レノンの殺害が影響をおよぼしたのは、単に感情のレヴェルだけではなかった。法的なパートナーシップは解消されていたものの、四人のビートルズは依然として、財政上の責務という閉所恐怖症的な蜘蛛の巣にとらわれていた。文字通り何十もの会社が、個人としての彼ら、そして企業としての彼らの富を作り出し、管理し、散財していたのだ。