『ザ・ビートルズ 解散の真実』
[著]ピーター・ドゲット
[訳]奥田祐士
[発行]イースト・プレス
個人的な面でも、創造的な面でも、ビートルズが完全に平等だったことはない。だが全員に関わってくる問題に関しては、四人の意見が同等の重みを持っていた。しかし早くも一九六八年の段階で、レノンはこの四人組に五番目の要素を導入していた。パートナーの実験映画作家兼アーティスト、ヨーコ・オノである。
彼はまず、ビートルズの仕事の現場に彼女を同席させたいと主張した。次に彼はグループを捨て、もっぱら彼女と共作をするようになった。そして最後に息子のショーンが一九七五年一〇月に誕生したことを受け、ビジネスがらみの会議や契約の交渉を彼女に一任するという重大な決定を下した。