『ザ・ビートルズ 解散の真実』
[著]ピーター・ドゲット
[訳]奥田祐士
[発行]イースト・プレス
「性交は一九六三年にはじまった」と詩人のフィリップ・ラーキンは書いている。「チャタレーの禁書の終わりと、ビートルズの最初のLPとのあいだに」。そして「性交」という言葉は、現在「六〇年代」として知られる文化現象のあらゆる側面を暗示することができた──性的な解放、派手なファッション、学生たちの抗議、反戦運動、カーナビー・ストリート、グロヴナー・スクエア、プラハの春、五月のパリ、LSD、マリファナ、無料の麻薬、フリー・ラヴ、フリー・ミュージック、過去からの、そして最終的には未来からの自由。
無数のファクターがからまって、ビートルズをこの文化的な激変、または革命、またはなんであれ世界のなにかが決定的な変化を遂げたという、言葉にできない集合的な感覚の中心に据えることになった。