『ザ・ビートルズ 解散の真実』
[著]ピーター・ドゲット
[訳]奥田祐士
[発行]イースト・プレス
マッカートニーのライフスタイルを真似てみたいと考えたレノンは、共通の友人だった画廊のオーナー、ロバート・フレイザーの手引きでロンドンのアヴァンギャルド・シーンを視察した。一九六六年一一月七日、彼はインディカ・ギャラリーに案内された*1。そこでは実験的なアート集団、フルクサスの日本人メンバーが、『未完成の絵画とオブジェ』と題する自作展の準備をしていた。のちに神話的な様相を帯びることになるその出会いで、彼はくだんのアーティスト──三三歳のヨーコ・オノと短い会話を交わし、それなりに意気投合した。
そのギャラリーに足を運んでいたのは、なにもレノンばかりではない。