『ザ・ビートルズ 解散の真実』
[著]ピーター・ドゲット
[訳]奥田祐士
[発行]イースト・プレス
基本的なトーンは、五月におこなわれた最初のセッションで決まった。レノンは是が非でも、パリで最近起こった学生の暴動を論評した〈レボリューション(Revolution)〉をレコーディングしたいと考えていた。彼のかたわらにはなにも喋らない、謎めいたヨーコ・オノがいた。
「すごく取り乱したのを覚えている」とスターキーは回想している。「オレたち四人は一緒にいろんな経験をしてきたし、たいていの時間は、とても近くにいた。ある意味、おたがいにすごく独占意識があったと言ってもいい。奥さん連中やガールフレンドがスタジオに来ることは一度もなかった。