『ザ・ビートルズ 解散の真実』
[著]ピーター・ドゲット
[訳]奥田祐士
[発行]イースト・プレス
レノンはほかのことに気を取られ、ハリスンは無関心だったため、グループを維持するのはマッカートニーの役回りとなった。フランシー・シュウォーツとは別れていた。彼女は「泣かないでくれ、ぼくはひどい男なんだ。ちょっと出てくるから、夕食を作ってくれるかい?」というマッカートニーの別れの言葉を耳に響かせながら、自国に帰ってしまったのだ。
ビートルズの二枚組アルバムを完成させると、彼はニューヨークのカメラマン、リンダ・イーストマンに連絡を取り、その年最後の数週間を向こうで過ごした。おりしも彼は二年以上ぶりに、ビートルズをステージに復帰させるプランを立てている途中で、これには人前に出るのを嫌がるハリスンまでが、一時は乗り気になっていた。