『ザ・ビートルズ 解散の真実』
[著]ピーター・ドゲット
[訳]奥田祐士
[発行]イースト・プレス
一年前に〈レボリューション〉を書いたとき、レノンは「体制」を転覆したいという本能的な衝動と、肉体的な危害に対する恐怖心のあいだで迷っていた。だが今の彼は、こう言い切ることができた。「暴力的な変革は長い目で見ると、なにも成し遂げられないと思う。人類が生きてきた二〇〇〇年以上の歴史を見ると、暴力的な革命にはかならず終わりが来ているからだ。かりに五〇年や一〇〇年は持ったとしてもね。オレたちのようなやり方で行こうとした数少ない人たちは、残念ながら殺されている。たとえばキリスト、ガンジー、ケネディ、それにマーティン・ルーサー・キングがそうだ。