『ザ・ビートルズ 解散の真実』
[著]ピーター・ドゲット
[訳]奥田祐士
[発行]イースト・プレス
ビートルズにはもはや、ビジネス以外で会う理由がなくなっていた。彼らが《アビイ・ロード》の仕上げに取りかかる一方で、アレン・クラインはノーザン・ソングスの買収交渉を続行した。クラインにとっては、ビートルズとATVのどちらも選ぼうとしなかったコンソーシアムの名で知られる株主グループが、依然として魅力的なターゲットだった。夏の終わりに、いよいよ彼らが売却に応じるかもしれないといううわさを耳にした彼は、マッカートニーの利益もきちんと代表させるために、ジョン・イーストマンをロンドンに呼んだ。
ふたりの男の関係は先ごろ、あからさまに反目し合うところまで落ちこんでいた。