『ザ・ビートルズ 解散の真実』
[著]ピーター・ドゲット
[訳]奥田祐士
[発行]イースト・プレス
レノンとハリスンは間違いなく、《マッカートニー》の発売延期を当たり前のように受け入れていた。レノンは三月三一日に、書状でEMIに「われわれはレコードがその日にリリースされるのは、この会社の利益にならないという結論に達した」と伝えた。一方でハリスンは、マッカートニーに手紙を書いた。
親愛なるポール、ぼくらはきみのLPとビートルズのLPについていろいろ考えた。そして一週間しか間を開けずに、ビッグなアルバムを二枚出す(それ以外にリンゴと《ヘイ・ジュード》のアルバムもある)のは愚かしいという結論に達した。そこでぼくらはきみのリリース日を、七月四日まで延期するように指示する手紙をEMIに出した(ちょうどハワイでアップル/キャピトルの大規模なコンヴェンションが予定されている時期だ)。