『ザ・ビートルズ 解散の真実』
[著]ピーター・ドゲット
[訳]奥田祐士
[発行]イースト・プレス
マッカートニーと対決した翌日、不運なスターキーは新たなサイコドラマを経験する。彼はスペクターとともにスタジオにいた。スペクターはアルバム中の三曲にコーラスとオーケストラを追加することにしていたが、現状のままではパーカッションのトラックが覆い隠されてしまうため、スターキーが新たにオーヴァーダビングすることになったのである。過去五年間、作者の承認抜きで、ビートルズの曲に新たな要素がつけ加えられたことは一度もなかった。そして今、レノン、マッカートニー、ハリスンの曲に大きく手が入れられているというのに、その三人はだれひとり、現場に顔を見せていなかった。