『ザ・ビートルズ 解散の真実』
[著]ピーター・ドゲット
[訳]奥田祐士
[発行]イースト・プレス
数日後、マッカートニーは無邪気な口調で記者に告げた。「いくつか変えてほしいところがあるという手紙をクラインに送ったんだけど、まだ返事をもらってないんだ」。だがこのころにはもう、彼にもおおよそ答えの予想はついていたのだろう。
そこでマッカートニーは人民を味方につけることにした。彼は「イヴニング・スタンダード」のロイ・コノリーに受けたインタヴューを利用して、クラインとアルバム《レット・イット・ビー》、そして自分の会社に手枷足枷をはめられるという、不可解な状況への不満を洗いざらいぶちまけた。