『ザ・ビートルズ 解散の真実』
[著]ピーター・ドゲット
[訳]奥田祐士
[発行]イースト・プレス
一度アイドルを捨て去る作業に入ると、彼はもうやめられなくなった。なにかに新しく熱中しては、すぐに捨て去ってしまうというパターンが、彼の成人期ではくり返されている。それはそもそもビートルズの四人全員が活動の動機にしていた名声にはじまり、セックス(多すぎるグルーピー)、ドラッグ(多すぎるバッド・トリップ)、マハリシ(幻滅)、マジック・アレックス(さらなる幻滅)へと移ろっていた。ヨーコ・オノとアレン・クラインとだけは切れていなかったが、それは完全に浄化されたレノンですら、頼れる相手は必要としていたからだった。
そのリストに新しく加わったのがヤノフである。