『ザ・ビートルズ 解散の真実』
[著]ピーター・ドゲット
[訳]奥田祐士
[発行]イースト・プレス
ほぼ時を同じくして、レノンとマッカートニーはどちらも幻想に終止符を打つことにした。彼らは別個の主義に従い、まるっきり異なるやり方で、個々に活動をつづけていた。だが一九七〇年の一二月に彼らが取った行動は、当面のあいだ、いや、それから先もずっとビートルズの再結成はありえないことを、実質的に確定させてしまう。
先に動いたのはレノンだった。一二月八日、彼とオノは「ローリングストーン」の編集長、ヤン・ウェナーにそれまでで最長のインタヴューを受けた。彼らが会ったのはABKCOのオフィスで、クラインのスタッフは、レノンのために下剤と頭痛薬を用意するように指示されていた。