『ザ・ビートルズ 解散の真実』
[著]ピーター・ドゲット
[訳]奥田祐士
[発行]イースト・プレス
同僚たちの主張や糾弾に対する彼の反論は、二月二六日の法廷で読み上げられた。マッカートニーはクラインが自分のパワーを誇張するやり口をふり返り、それによって法廷ははじめて、このアメリカ人の本性を垣間見た。彼によるとクラインは、NEMSの支配権を確保するという難問を前に、「オレならただで手に入れてやる」と豪語した。だがそうした空威張りや大言壮語は、マッカートニーの流儀ではなかった。