『ザ・ビートルズ 解散の真実』
[著]ピーター・ドゲット
[訳]奥田祐士
[発行]イースト・プレス
春が夏に変わっていくにつれて、レノンは少しずつ、革命から身を引きはじめた。だが金の流出はつづいた。ウェバーマンとピールはロック解放戦線のほかに、ジッピーと呼ばれるグループの有力なメンバーでもあった。アップルは一九七二年六月にレノンとオノがプロデュースしたピールのアルバム《ローマ法王とマリファナ(The Pope Smokes Dope》をリリースし、ジッピーの会報紙「ビーチ・ブランケット・ストラグル」に広告を打った。
おそらくそのスペースは、五〇ドルでやすやすと確保できていたはずだ。だがレノンは会社に五万ドルを支払わせた。「彼にはマイアミで開かれる共和党大会で、暴動を引き起こすつもりだと言ったんだ」とウェバーマンは説明している。