『ザ・ビートルズ 解散の真実』
[著]ピーター・ドゲット
[訳]奥田祐士
[発行]イースト・プレス
一九七四年の三月には四人のビートル全員がロスアンジェルスにいたが、彼らはあえて顔を合わせないことにした。A&Mスタジオでラヴィ・シャンカールのアルバムをプロデュースしていたハリスンは、そこでオリヴィア・アリアスという秘書に出会った。「ジョージの第一印象は、ぜんぜんスターらしくない人、というものでした」と彼女は回想している。「とても控えめで、普通っぽくて、思慮深い人。そしてとても集中していました。とにかく自己意識が強かったんです。とても浮ついた人には見えませんでしたね。実際には違っていましたが。でも最初に会った日からずっと、彼は音楽に取り組んでいました」。