『ザ・ビートルズ 解散の真実』
[著]ピーター・ドゲット
[訳]奥田祐士
[発行]イースト・プレス
その晩のバーバンク・スタジオで、レノンとマッカートニーは一九六九年以来はじめて、一緒にジャム・セッションをくり広げた。ふたりがプレイしたのは、フォーク・ナンバー〈ミッドナイト・スペシャル(Midnight Special)〉のボロボロなヴァージョンだった。三日後、マッカートニーはレノンとレコーディングをするつもりでスタジオに戻ってきた。
「不思議なセッションだった」と彼は語っている。「いちばんよく覚えているのは、だれかが『どんな曲をやるんだ?』と訊いたとき、ジョンが『六三年より前の曲ならなんでもいい。六三年よりあとの曲はぜんぜん知らないんだ』と答えたことだ。