『ザ・ビートルズ 解散の真実』
[著]ピーター・ドゲット
[訳]奥田祐士
[発行]イースト・プレス
ジョージ・ハリスンは未来に向けて、もっと前向きな方針を立てていた。トラウマ的な全米ツアーを終えた直後、コメディ・チームのモンティ・パイソンに出会った彼は、そこにビートルズの代わりとなるボーイズ・クラブを見いだした。早くも一九七五年一月の時点で、パイソンのマイケル・ペイリンは日記に書いている。「彼はアメリカにいるぼくらと、なんらかのかたちで関わりを持ちたがっている。話し合いたいアイデアが山のようにあると言っていたが、ぼくはちょっと警戒していた。特にそう思ったのは、彼がハリスン=パイソンの旅巡業──ショウのあいだ、ぼくらはずっと、観客の頭上でロープにぶら下がってスウィングするといった類の、奇天烈な真似をしつづける──を構想していると言い出したときだ」