『ザ・ビートルズ 解散の真実』
[著]ピーター・ドゲット
[訳]奥田祐士
[発行]イースト・プレス
EMI/キャピトルには、もっと直接的にビートルマニアから利益を得るルートがあった。一九七六年の三月には、グループのオリジナル・ヒット二二曲が一気にイギリスで再発され、併せて〈イエスタデイ〉が、この国でははじめてシングルになっている。次にEMIは倉庫をあさり、リリースできそうな未発表音源を探した。彼らは《ロックン・ロール・ミュージック(Rock 'n' Roll Music)》と題する二枚組のアルバムをまとめはじめ、一時はグループが一九六九年一月のセッションでレコーディングした、精彩を欠くオールディーズのカヴァーを部分的に公開することも考えていた。