『ザ・ビートルズ 解散の真実』
[著]ピーター・ドゲット
[訳]奥田祐士
[発行]イースト・プレス
ジョージ・ハリスンもやはり、引きこもりに魅力を感じていた。ニューヨークで名前を秘してモンティ・パイソン一座のステージに立った彼は、マイケル・ペイリンの回想によると、「疲れて見え、具合が悪そうだった」。ヴァージン諸島で休暇を過ごしても健康は回復せず、最終的には肝炎と診断された。結婚生活の崩壊と、ツアーやレコーディング活動に浴びせられた酷評からの避難所を、彼はアルコールとドラッグに求めていた。だがとうとう今になって、身体が悲鳴を上げはじめたのだ。
オリヴィア・アリアスとの関係に新たな安らぎを見いだしたハリスンは、幸福と健康のほうが、スターダムよりも大切だと判断した。