『ザ・ビートルズ 解散の真実』
[著]ピーター・ドゲット
[訳]奥田祐士
[発行]イースト・プレス
元ビートルが財を築く方法はほかにもあった──とりわけ、ほとんど妄執に近い労働倫理をいまだに保っていた唯一のメンバー、ポール・マッカートニーの場合には。一九七八年、彼とEMI/キャピトルのソロ契約が失効する。入札合戦の結果、イーストマン親子は彼のために、なんとも豪勢な内容の契約を数セット確保した。
その一環として彼は、北米ではコロンビア・レコードと契約し、それによってコロンビアが所有する、もっとも儲けの大きい出版カタログのひとつが、MPLに移行することになった。その契約は、ある特定の場合に限って、マッカートニーが別のレーベルでレコーディングすることを認めていた。