『ザ・ビートルズ 解散の真実』
[著]ピーター・ドゲット
[訳]奥田祐士
[発行]イースト・プレス
ジョージ・ハリスンは自分の金を、世間の狂気に対する防壁として用いた。ヘンリーの邸宅のほかにも、彼はオーストラリアの辺地にかなり広大な土地を所有し、ハワイのマウイ島にあるナヒクにも、浜辺の別荘を持っていた。だが通行権によって赤の他人たちが海岸線側の境界に接近でき、そこからは自分の家がまる見えになることが判明したせいで、この最後の楽園で過ごす彼の喜びは大きく削がれていた。
一九八三年八月、彼は自分が「そうした人々にレイプされている」、そして「自分の人生で、プライヴァシー以上に重要なものはない」と主張して、一般人の接近制限を求める訴訟を起こした。