『ザ・ビートルズ 解散の真実』
[著]ピーター・ドゲット
[訳]奥田祐士
[発行]イースト・プレス
中にはいびきをかいていられない犬もいた。決して音楽ビジネスには関与しないという約束を、アップルコンピュータから取りつけていたニール・アスピノールとアップルの弁護士たちは、一九八八年の終わりごろ、このアメリカ企業が、メロディのあるコンテンツを作り出せるサウンド・チップを自社のコンピュータに装着しようとしていることを知った。
一〇月二九日、アップル対アップルの議論はロンドン高等法院の五三番法廷に行き着き、そこから一一六日にわたる審理がはじまった。加えてロンドン控訴院でもさらに一〇日間、そしてブリュッセルの欧州裁判所でも、新たな審理が開かれた。