『ザ・ビートルズ 解散の真実』
[著]ピーター・ドゲット
[訳]奥田祐士
[発行]イースト・プレス
プライヴァシーに対するハリスンのこだわりは、かなり前からフェティシズムの域に達していたが、一九九九年一二月に起こった一連の事件は、そうした彼のパラノイアが、決して根拠のないものではなかったことを証明する。一二月二三日、クリスティン・ケレハーという若い女性が、マウイにある彼の家に侵入した。彼が、二〇年近く外部の目に触れさせまいとしてきた住居である。
ハリスン一家は不在だったが、警報システムを発動させてしまったケレハーは、冷凍ピザを腹に詰めこみながら、やってくる警官たちを待った。三〇日に出廷した彼女は、四か月の実刑判決を受けた。