『ザ・ビートルズ 解散の真実』
[著]ピーター・ドゲット
[訳]奥田祐士
[発行]イースト・プレス
今や、すべてのピース──ふたつのアップル、EMI、そして音楽が収まるべきところに収まったかに見えた。一九七三年にアレン・クラインが離脱して以来、ニール・アスピノールはずっと、世界中の法廷でビートルズのために闘ってきた。既存の訴訟にすべてけりがついた今、いよいよアスピノールがその商業的な恩恵を受ける時がめぐってきた。
ところが考えられないことが起きた。二〇〇七年四月四日、アップル・コア社は以下の短い声明を発表した。
四〇年以上におよぶ波瀾万丈の年月をジョン、ポール、ジョージ、リンゴとともに送り、その間、この四人にとって欠かせない役割を果たしてきたニール・アスピノールが旅立った。