『わが青春のマジックミラー号 AVに革命を起こした男』
[著]久保直樹
[発行]イースト・プレス
記念すべき『マジックミラー号』最初のロケ地は、忘れもしない、渋谷109前の路上だった。あの“マルキュー前”である。
当時はどこへ行っても路上駐車していた。新宿アルタ前、上野アブアブ前、六本木アマンドといった、誰もが知っているような場所でも、だ。もちろん現在は駐車場を借りて撮影しているが、今にして思えば無知、さらにいえば怖いもの知らずである。
さて、マジックミラー号は当初、「全裸までいくら?」という企画だった。女の子が脱いだところで終わり。『全裸スポーツ』と同じく、本番はなかったのだ。
私自身、初代マジックミラー号の監督として6~7年ほど路上に出撃したが、もともと「街行く素人の女の子が脱ぐわけない」と思っていた。まして、SEXまでするはずない、と。
前述のような様々な仕掛けを用意し、実際に街へ繰り出した時も、「素人の女の子が本当に脱いでくれるのか」という不安はぬぐえなかった。
がなりさんも、さすがに全裸までは相当ハードルが高いと考えていたようだ。