『わが青春のマジックミラー号 AVに革命を起こした男』
[著]久保直樹
[発行]イースト・プレス
テリー伊藤さんと高橋がなりさんという、ふたりの“怪物”とのやり取りは、こんな具合だった。
前回の打ち合わせで伊藤さん自身が話していたことを元にプロットを書き、伊藤さんの事務所へ持っていく。だが、そのプロットを渡しても、伊藤さんは読まない。週刊誌を眺めながら、急に「あのさぁ、この映画って人魚が出るんだよね?」と思いついたように言う。
それも「人魚を出そうよ」「出すと面白くない?」という提案ではなく、「出るんだよね?」といった感じである。