『わが青春のマジックミラー号 AVに革命を起こした男』
[著]久保直樹
[発行]イースト・プレス
『あゝ!一軒家プロレス』の撮影は、3カ月の長期に及んだ。
現在の映画の常識でいえば、現場での撮影は大体1週間から2週間ほどだ。
私が初めて劇場用映画を演出するということで、スタッフは歴戦のプロばかりが集められた。たとえばカメラマンには、中国の大監督チャン・イーモウの下で長年学んだカメラマンをつけてくれたりしたのだが、これが私にとっては逆に悲劇だった。
この一流どころのスタッフのなかに、私のような素人が入るとどうなるか。
まず、壮絶ないじめにあう。
映画の世界で新人監督が潰れていくのは、おそらくこのパターンが多いと思う。