『マイルス・デイヴィスとジミ・ヘンドリックス 風に消えたメアリー』
[著]中山康樹
[発行]イースト・プレス
『マイルス・アヘッド』は4回のセッション(録音)で完成をみた。記録では最後のセッションは57年5月27日となっている。その約4か月後、ギルはいよいよ自分の名を冠したリーダー作を吹き込む。それが実現した背景には、自分の古巣プレスティッジ・レコードに対するマイルスの強力な売り込みがあった。マイルスは早い時期から同社の経営者兼プロデューサー、ボブ・ワインストックに、口を開けば「ギルのレコードをつくるべきだ」と迫っていた。