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14歳からの哲学入門 「今」を生きるためのテキスト
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生き方・教養
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ヒューム

『14歳からの哲学入門 「今」を生きるためのテキスト』
[著]飲茶 [発行]二見書房


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David Hume


 我思うゆえに我あり。デカルトが到達したという絶対的な真理。それは西洋の人々にとてつもない衝撃を与えた。


 というのは、それまでの価値観では、人間なんてものは神さまの助けなしにどんな真実にもたどり着けない、そういうものだと思われていたからだ。それが人間の理性だけで「絶対に確実な真理(誰だろうと(くつがえ)しようのない正しいこと)」を導き出せてしまった。それはすなわち、神学に頼らずとも、人間は自分の力で「正しいこと」にたどり着けるということを意味する。しかもだ。なんとその人間の精神は、世界(客観)を正しく知るための確かな認識能力(主観)を備えており、そのうえ、肉体を超えた存在、非物質的存在だと言うではないか!


 そんな素晴らしい精神(考える私)を持っているのだから、もはや人間は、宗教家の顔色をいちいち(うかが)う必要なんかない。その精神で自ら合理的に考え、「科学」という新しい学問を発展させて世界の真実をどんどん知っていけばよいのである。


 とまぁ、そんな感じで当時の人々に希望を与えたデカルトの哲学であるが、それはまさに、信仰の時代が終わりを告げ、合理的な精神が主役となる「近代」という名の時代の幕開けにふさわしい哲学であったと言えよう。


 とは言いつつもだ……。一方で「それはちょっと人間の精神を特別視しすぎなんじゃないの?」という気もしてこないだろうか。そういった感じの反論をしたい人もいるだろう。


 歴史もそうである。こういうノリノリの哲学が展開されたあとには必ず水をさすような反論者が現れる。


 たとえば、先に紹介したペンローズ。彼は人間の精神についてロマンあふれる主張を展開したわけだが、さっそく反論、それも、かつていっしょに研究し共にウルフ賞を受賞した盟友ホーキング博士から痛烈な批判の書簡を受け取っている。


「最初にはっきり言っておきますが、私は、恥知らずな還元主義者です」



 という言葉からはじまるその書簡の内容は次のようなものであった。


(1)ペンローズは、量子力学の例の不可思議な現象が、脳内のどういう物理条件で発生するのか、新しい理論(数式)をまったく提示していない。

(2)もし従来どおりの理論であると言うならば、その量子力学の現象は外界からの影響ですぐに壊れてしまう。したがって、その現象を維持して作用させるためには、脳が「外界から十分に隔離されたシステム」を持っていなくてはならないが、そんな精密な機構を脳が持っているという事実は確認されていないし、現実的にありえるとも思えない。

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