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14歳からの哲学入門 「今」を生きるためのテキスト
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生き方・教養
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ウィトゲンシュタイン

『14歳からの哲学入門 「今」を生きるためのテキスト』
[著]飲茶 [発行]二見書房


読了目安時間:29分
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Ludwig Josef Johann Wittgenstein


 レヴィ=ストロースからはじまった構造主義という新しい哲学は、人間は「自分で思うほど自分で考えていなかった」という恐ろしい結論をもたらした。


 私たちの行動は、実は「何か」に操られていたのだ……。


 その「何か」のことを当時の人々は「構造」と名付けたわけだが、ではここで言う「構造」とはそもそもどういうものか?


 ちょっと次の図を見てほしい。Aという図形が一個だけある図だ。この図形を一個だけ見ても、僕たちにはなんのこっちゃわからない。せいぜい言える感想は、「丸のような……、三角形のような……、とにかく歪んだ枠だよね」ぐらいものであろう。



 では次に、図Aを見てほしい。今度は、Aの他に、B、C、D、Eとたくさんの図形が並んでいる図だ。この場合、たくさんの図形があるわけだから、それらを見比べることで、そこに隠されている「共通の形(真円)」を見いだすことができる。つまり、見る人が見れば「これらの図形って、真円をベースとして、歪めたり、曲げたり、何らかの数学的変換を加えることで生み出されたものだよね」とすぐにわかるという話だ。



 さて、今、「図形Aの一個だけしか見てない人」と「図形A〜Eを全部見ている人」がいたとして、どちらのほうが、図形Aの本質を理解できる、もしくは理解しやすいだろうか?


 それはもちろん後者である。なぜなら、前者の人は、一個の図形しか見ていないのだから、その図形の特徴が「たまたま偶然そうなっているのか、必然的にそうなっているのか」を区別することができないが、一方、後者の人は、多数のものを比較して「共通的な特徴(それらの図形を成立させている根本の構造)」を取り出すことで、容易にその区別ができるからだ。


 というわけで、ようするに、


「『個』を見るより『多』を見て、それらを成立させている根本の構造を見いだしましょう。そうしたほうが、より対象を深く知ることができるよ」



 というお話だったわけだが、これでだいたい「構造」のイメージはつかめてもらえただろうか。


 ちなみに、こうした構造を見いだす手法は、「対象の理解」だけではなく、「創造」についても役に立つ。たとえば、さっきの図形の例で言えば、根本の構造が「真円」であることをわかっている人は、その真円を適当に歪ませることで、新しい図形Xを作ることができる。これは、図形を一個だけしか見てない人にはできない芸当である(前の図B参照)。



構造主義のポイント


 前章での説明も含めて、構造主義を今一度整理してみよう。構造主義の主張は、ようするに、以下のふたつだ。



 人間の思考は、「構造」に支配されているんだよッ! 自分の意志で自由に物事を考え出したつもりでも、実は、無意識に「とある構造」を持ったものになっていたりするんだよッ!


 個ではなく、多を見ようよ すると、共通する構造が見えてきて、物事をより深く知ることができるし、新しいものを作るのにも役立つよ



 ここで、は深いところでは同じことを言っている。「人間と構造」の関係について、ネガティブにとらえればのような表現になるし、ポジティブにとらえればのような表現になるだけの違いにすぎない。


 ところで、多くの構造主義の入門書が、「構造主義=西洋中心主義批判」という感じの紹介をしているが、これはつまるところ、に由来している。ようは、


「西洋人たちは、西洋文明が最高だと思い込んで、西洋という一個の視点や文化でしか物事を見ようとしないが、それじゃあダメだよ。

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