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14歳からの哲学入門 「今」を生きるためのテキスト
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生き方・教養
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ボードリヤール

『14歳からの哲学入門 「今」を生きるためのテキスト』
[著]飲茶 [発行]二見書房


読了目安時間:27分
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Jean Baudrillard


 前述のとおり、デリダの哲学は、真理の破壊を推奨する主張であるかのように捉えられ、デリダの想いとはうらはらに、真理批判主義、反哲学主義の傾向が「現代」という時代を支配していくわけであるが、そういう真理(唯一普遍の正しいこと)を否定し、求めることを拒絶する時代は今後いったいどこへ向かっていくのだろうか?


 今までの人類の歴史を振り返るなら、「○○主義」にそまった時代のあとは、その「○○(常識)」にウンザリした人たちによってそれを否定する「□□主義」が生み出され、その「□□主義」が主流となる新時代がはじまるというのが定番のパターンであった。だとするならば、現代(真理批判主義、反哲学主義)にウンザリした人々によって、次はまったく真逆の時代が作られそうなものである(たとえば、真理や哲学を賛美する時代とか……)。


 しかし、


「そんなことは起こりません! 新しい主義を掲げる時代はもうやってきません!」



 と、思いきりネガティブなこと、「哲学史の終焉」を宣言する者が現れる。フランスの哲学者ボードリヤールである。



破綻しない資本主義社会

「僕たちの時代(現代)は、もうこれ以上、新しい時代(別の主義が主流となる新しい社会)を作り出すことはできません! 実は、僕たちが今生きているこの社会こそが『最後の社会』であり、どんづまりなのです!」



 といった感じの衝撃的な説。これをボードリヤールは唱えたわけであるが、いったいそれはどんな根拠からそう考えられるのだろうか。


 まず、ボードリヤールは「資本主義社会(現代社会)は決して破綻しない自己完結したシステムである」と主張する。


 ん? どういうことだろう? どうして資本主義社会は破綻しないのだろう? そもそも、一昔前は「資本主義社会は、資本家と労働者の格差がどんどん広がっていって、必ず破綻する社会システムである」と言われていたではないか。そして、実際にその話を真に受けて、「じゃあ、資本主義社会にさっさと見切りをつけちゃおうぜ」と多くの人々が共産主義革命に身を投じていたではないか。なぜここにきて、突然、「資本主義社会は破綻しません!」などと言い出すのか。


 ボードリヤールが主張する「資本主義社会が破綻しない理由」……。それは端的に言うと、こういうことになる。


「資本主義社会は、すでに『生産時代』を終えて『消費時代』に移っており、しかも記号を消費する時代になったから破綻しないのだ」



 ふむふむ。まず、「生産時代を終えて、消費時代に移った」というところの理解については、それほど難しくないだろう。僕たちは、もはや生活必需品を必死に生産する時代に生きているのではなく、とにかく経済をぐるぐる回すためにどんどん新商品を作っては次々と消費していくという「消費時代(使い捨てを推奨する時代)」に生きている、という話は誰もが実感できることだと思う。だが、次の「記号を消費する」とはどういうことだろうか?


 そもそも、記号とは、簡単に言うなら「相手に、何らかのイメージを喚起させるために作られた形(図形、マーク、サイン)」のことだと言える。だから、たとえば、「林檎」という文字の形(もしくは「リ・ン・ゴ」という音の波形、もしくはデフォルメされたリンゴのマーク)は、「相手にリンゴというイメージを喚起させることを目的として作られた記号」だと言うことができるわけである。

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