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ルポ・エッセイ
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姑の前では嫁はフリチンになれ

『オンナノコウフクロン』
[著]安彦麻理絵 [発行]イースト・プレス


読了目安時間:4分
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 先日のNHK『あさイチ』のテーマは「正月帰省・夫の実家イヤ!! トラブル大公開&回避術」であった。独身だと、あまりピンとこない内容かもしれないが、結婚してるとズビンズビンくる内容。今日の視聴者からのファックスは「もしかして、盛り上がり過ぎて炎上するんじゃないか!?」と、期待したほどである。なにしろ番組内でとったアンケートの結果は、実に8割くらいの女たちが「なるべくならダンナの実家に帰省なんてしたくない」と答えてたんだから凄い。



 世の中の、結婚してる女の大半が「そんなふう」って驚愕の事実だ。帰省したくない理由は大体想像つくとは思うけど。


「実家に帰るとダンナが急にマザコンになる、もしくは横柄になる」

「夫の実家の風習についていけない」

「姑との腹の探り合いがめんどくさい」

「姑の扱いが難しい」



 などなど……。まぁ要するに、せっかくの正月なのに「亭主の実家になんていたら、なんもリラックスなんてできねぇよ!」というわけなのであった。いや、まさにその通り。番組内で「全国亭主関白協会」というグループのリーダーのおじさんが、夫の実家へ嫁が行くことについて「それは……敵陣へ、たったひとりで乗り込む武将のようなもの」と、たとえていた。そんなおおげさな、と独身の人は思うかもしれないが、結婚してみれば分かる。ほんとに、この人の言う通りだなと私も思った。



 私も本音を言えば、正月はダンナの実家に顔なんて出さずに家で朝から酒でも飲みながら、前日の『紅白』を録画したやつなんぞを見てダラダラしていたいと思う。しかし、そういうわけにはいかないのが現実である。孫の顔をとにかく見せねばならんだろう。抱かせなければならんだろう。それらは要するに「仕事」なのである。


 私がダンナの実家に行くのが億劫な理由、それは。「好きなだけ酒が飲めない」これに尽きる。ちょっとの間くらい我慢しろよと自分でも思うのだが、これがなかなか……夫の両親は基本的には酒を飲まない人たちなのである。しかし私が行くと「さぁ飲んで飲んで」と、笑顔で酒をすすめてくれる。それがなんだか申し訳なくて、申し訳なくて……。私の実家は両親、親戚、皆、大酒飲みなので会えば全員、好きなだけガンガン飲んでいる。そんな環境で育ったものだから「普段、酒を飲まない家の雰囲気」というのがさっぱり分からないのだ。だから、夫の実家で正月に、おせち料理のわきに白いご飯が並んだ時は衝撃を受けた。そうか、これが酒を飲まない人たちの正月なんだ、と驚愕。「異文化交流」とはまさにこのことである。



 今回の番組を見てつくづく思ったのは、やはり「ダンナの親との腹の割り方は難しい」ということである。嫁と姑なんて、ほんとに「腹の探り合いばっかり」だと思う。この世で一番めんどくさい関係、と言っても過言ではないだろう。


 番組内の視聴者からのファックスで「自分が言いたかったことをすべて吐き出して、姑と大ゲンカをしたら、逆にとても仲良くなりました」なんてのがあったが、別にそういうのもなぁ……。仲良くなるために一度激しくケンカするというのも……まるで「殴り合いの末に、最終的には土手に寝転んで『お前も案外やるな』なんて笑いあう昔の青春ドラマ」みたいである。



 結局、さっさと自分から「フリチン状態」になるのが一番かと思われる。「腹の探り合い」なんてしてたって、そんなものは時間の無駄だ。さっさとフリチンになったほうが、向こうもホッとするはずだ。気疲れなんかしたくないのは、お互い様だもの。


 あと、ダンナの親に「昔話を聞く」というのは、距離を縮めるのに最適な方法だ。なにしろ「自分の人生を語る」のは、けっこう気持ちがいいらしい。以前、うちの実家に帰った時に夫が、私の父親にこの「ロングインタビュー」を行ったところ、親父は己の半生を意気揚々と語っていた(こうして夫は思いっきり株を上げていた)。「ダンナの親と、何を話したらいいんだか分からない」という時は、すかさず「人生のロングインタビュー」を行ってみることをおすすめする。



 ところで、夫の両親は正月に帰省すると、いつもお年玉をくれる。子どもらにだけではなく、私と夫にもくれるのだ。これは本当にありがたいのであった。だから私が「ダンナの実家に帰省すんの、めんどくさい」なんて言ってたら、それこそバチがあたる。このことを友人漫画家の大久保ニュー姐さんに話したら「お金もらえるんなら、めんどくさいなんて言ってらんないじゃないの、そんなの贅沢よ!」と憤慨された。そして「お金になるんなら、あたしだったら何でもするわよ!」と、まるで、枕営業をも厭わないグラビアアイドルのような台詞を吐いていた。

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