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ルポ・エッセイ
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女を老けさせる3つの言葉

『オンナノコウフクロン』
[著]安彦麻理絵 [発行]イースト・プレス


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 気がつけば5月の半ば。


 もう、妊娠後期、と言ってもいいような時期に入ってしまった。腹の赤子、元気らしい。それはいいんだが、私の体調。咳がひどくて(ほんとにまったく、いったい何なんだ)それで副作用のない薬を飲み続けている状態である。



 臨月が近づくと、気もそぞろになる。集中力に欠け、不安で頭がガチガチになる。そして睡眠不足。夜中に何度も目が覚めるし、昨夜はうなされてる所を夫に揺すり起こされた。『まんだら屋の良太』似の、手のデカい男が私に近づいてくるという、ただそれだけなんだけど、それがものすごくイヤな夢。



 昼間に卵焼きを作ったのだが、見事に黒コゲにしてしまい、しかしもったいないんで、それを皿に移そうとしたら手元が狂って、ベシャっと台所のシンクにブチまけてしまった……すごい。あまりにもベタな、絵に書いたような失敗である(まぁ、捨てるのもなんなので、その「ベシャたま」、意地になって食ったけど。でも味がこれまた、しょっぱすぎて……)



 ところで先日、テレ朝の『モーニングバード』を見ていたら、カリスマと呼ばれてるらしい「中年のおじさん保育士」という人が出ていた。で、育児に関するトークをスタジオで繰り広げていたのだが、まぁ、ハナほじりながら聞き流してしまうような、「子どもは遊びの天才」とか、そういうベタな話。そんなふうだから、とりたてて真剣に見ていたわけではなかったのだが、しかし。


「世のお母さんたちが、子どもに対して一日平均40回以上も『早くしなさい!!』を言っている」


 という、その保育士のセリフを聞いて、私の、ハナをほじる手はハタと止まった(って、ほじってないけど、ハナ)。そして「とにかく『もう!!』を言い過ぎる」「怒る時に大抵『なんで○○するの!?』ってふうに、疑問形で怒る」という指摘をしていて、私はグウの音も出ないような気分に陥ってしまった。……確かにそうなのである。別に誰かにそうしろと教えられたわけでもないのに、なぜかそのまんま、そんなふうな接し方を子どもに対してしている。


「もう~!! 早くしてくれよ!! ちょっと、なんでそういうことすんの!?



 なんて、3つの指摘の合体形をほんとよく口から吐き出してる。「……これ、やめたほうがいいかもしれない」なんとなくだが、妖怪アンテナのごとく、私の直感がピキーンと働いた。



 そして、その日のうちから自分の中で、これらのセリフを「禁句」として子どもに接してみた。


 すると。いったい何が変わったか? はっきり言って「子どもへの影響」は、別にそこまですぐには分からなかったが、しかし。「己への影響」が非常にデカかった。なにせ、これらの禁句を口にしないと、なぜかあんまりイライラしないのである。ムキ~!! と、ブチ切れたりする気にならないのである。


「……これは凄くイイかもしれない……」


 私がニヤリとほくそ笑んだのは言うまでもない。「これ、『美容』に凄くイイはずだわ!!」教育のためとか、子どもにいいから、とかそういうのすっ飛ばして、「美容にいいから禁句」……いや、これ、ぜんぜんアリである。カリスマ保育士が指摘してたこの3つの禁句、これって、明らかに女を「老けさせる」セリフなんだ、とわたくしは思った。「早く!!」で、自分の中の余裕もなくなり、「もう!!」で、目を三角にしてキリキリ舞いにイラ立ち、トドメの「なんでそんなふうなの!?」で、相手が己の思い通りにならないことに怒髪天を突く……。これを毎日毎日続けてたらアナタ、10年後には見事に口角の下がったブルドッグづらの、ついでにケツもチチも垂れ下がった、そんな口のうるさい母親・オバさんのできあがりである……って、イヤだよこんな、色気もへったくれもない女!!



 てなわけで、それらのセリフの禁句癖をつけるため、日々、己を律してるわけだが、私は言わずとも、夫が言う時があるわけである。自分以外の人間が「もう~!!」だの「早くしろよ!!」とか「なんでまったく~!」とか言ってるのを聞いて、しみじみと私は「あー、こーゆうセリフってほんとに、すんごい負のエネルギーまき散らすんだな~」ということを実感した。「言霊」って思うと、なんだかしっくりくる。今までほんとに、自分がどんだけ悪~いエネルギーを家中にまき散らしてたんだか……。



 なので、夫にも「禁句令」を出したのだが、短気な夫にはなかなか難しいようである。「美容のため」なんて強力なエサがなけりゃ、難儀するのも無理はないが、しかし、男が子どもに「もう!! 早く!! なんで~!?」なんて言ってる様は、キーキーうるさいママっぽくて、ぜんぜんソソられない。


「そんな口うるさい母ちゃんみたいな男には、チンチンたたねぇんだよ!!」と、ブチ切れたら、夫は哀しげに落ち込んでいた。妊婦にこんなふうにドヤされる夫って……男の()(けん)はいったいどこへ……。ちなみに、子どもを叱る時「なんで○○するの!」って言い方じゃなくて、そういう時は「○○するのはやめなさい!!」って、普通に言うのがベストだそうです。

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