近鉄の人間が野茂さんの要望を簡単に突っぱねることができたのは、日本の野球協約により、野茂さんと交渉が決裂しても、他の球団と契約できないことを知っていたからである。
私は、中学、高校とアメリカンスクールに通ったため、日本語を読むのが苦手だった。特に漢字は鬼門だ。とはいえ、ビジネスは書面での契約が必須である。私は自分のスタッフたちに手伝ってもらいながら、必死で勉強したものだった。
人は自分の利益、興味に直結するものならば、嫌な勉強もはかどるものである。私の日本語教材となったのは、プロ野球の『野球協約』だった。野球協約をきちんと理解することは仕事に必要である。