野球協約を辞書を引きながら読んだ時、私は思わず溜め息をついた。自分が不動産業で苦労していたことと比べて、これほど球団側が有利な契約を結べるのならばどんなに楽だろうと思ったのだ。
そもそもドラフト制度があるため選手は入る球団を選べない。そして契約を結ぶとフリーエージェントになるまで約九年間、その球団以外でプレーすることはできない。
一方、球団は自分たちが不要だと思えば、いつでも選手をクビに出来る。この期間は、球団がゆるやかな保有権があると理解していい。独占的保有権を球団は何のリスクもなく持つことが出来るのだ。
理解できないのは、球団はこれほど有利な契約を結んでいながら、赤字が当たり前であったことだ。