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絶対忘れない! 記憶力超速アップ術
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生き方・教養
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本一冊を丸ごと暗記できた博物学者・南方熊楠

『絶対忘れない! 記憶力超速アップ術』
[著]栗田昌裕 [発行]日本文芸社


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 世の中にはふつうとは思われないような優れた記憶力を持っている人がいます。


 (みな)(かた)(くま)(ぐす)はその一例です。彼は、江戸末期に生まれ、子供の頃は神童と呼ばれ、明治、大正、昭和にかけて博物学者、(ねん)(きん)学者、民俗学者として活躍した人物です。奇人変人としても有名でした。彼の示した記憶力は驚異的です。


 子供の頃から、『()(かん)(さん)(さい)()()』や『(ほん)(ぞう)(こう)(もく)』などの(今でいえば百科事典や薬学書にあたる)難しい書物を、知人宅で読んで暗記し、家に帰ってそれを書き写すことを繰り返していました。こうして書き写した書物は100冊を超えました。大人になってからは、博覧強記と異常な語学力を認められて、大英博物館の資料調査の仕事をしていました。その時代には、19カ国語にも及ぶ原書を読みあさり、それを書き写し、それぞれの言語で書き込みを入れました。和歌山県の南方熊楠記念館には、子供の頃によそで記憶したうえで帰宅して書き写した書物や、大英博物館時代に書き写した資料の実物が展示されています。


 熊楠は特に粘菌に興味を持ち、70種にも及ぶ数多くの新種の菌類を発見しました。


 そのような画期的な発見をする際には、異常な体力や集中力や直観力を発揮しました。


 夢の中でさまざまなアイデアを得たり、宿もない自然の中で何日も山にこもって採集を続けたり、インスピレーションに導かれて新種を見いだしたりしたのです。そのような行為からは、記憶力だけではない特殊な能力の一端をも垣間見ることができます。


 熊楠は自然や生態系を深く理解していたため、神社を整理してその数を減らす神社(ごう)()令という法律ができたときに、(ちん)(じゆ)の森を守るための反対運動を始めました。その功績によって、熊楠は現代のエコロジー運動の先駆者であるともみなされています。


 熊楠の脳は本人の希望によって大阪大学の医学部に保存されることになりました。幻覚や幽体離脱を繰り返し体験していましたので、その原因を調べてもらいたかったのです。


 その後MRI(磁気共鳴診断装置)の検査によって右側頭葉の(かい)()に萎縮があることが証明されました。海馬は学習や記憶と関わりが深い場所です。熊楠の一生にはてんかん発作も繰り返し認められたので、海馬の病変も考慮して、「側頭葉てんかん」の患者であったと推測されています。


 熊楠の一生の数多くの出来事を脳の疾患だけで理解しようとするのは発想が貧困です。


 ものごとは多面的に見る必要があることを教えてくれる例としてとらえたいものです。


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