黒川氏は、最終的に検察の行使する行政権限を所轄する法務省の官房長である。つまり、検察のやったことに責任を持つ立場にある。
当然、どのような捜査をし、どのような捜査報告書を作って検察審査会に報告するかを監督することも責任の範囲内だ。
ところが黒川氏は、あきらかに問題のある捜査報告書の存在を週刊誌がスクープしたにもかかわらず、実物を調べていないと言う。それどころか、調べる方法があるのかどうかも把握していない、ということになる。
私は質問を続けた。
「『週刊朝日』の記事、これはおそらく事実でしょう」
「はい、内容からするとそうだと思います」