『本当に賢い人の 丸くおさめる交渉術』
[著]三谷淳
[発行]すばる舎
交渉条件は利他の視点で
◆期待値を超えれば相手はあなたのファンになる
丸くおさめる交渉の2つめのポイントは、相手の期待値を飛び超えるということです。期待値を飛び超えるということは簡単に言えば「相手に喜んでもらう」ということです。
前章でお話ししたとおり、交渉を勝負ととらえ、自分が勝利することを目指してしまうと、負けた相手はあなたを恨み、禍根を残す結果になってしまうことになります。ですから交渉をする際は自分だけが利益を独り占めするべきではなく、相手にも利益やメリットがある条件を考えなければなりません。
人にはそれぞれ、交渉や契約、約束や支払いに対して相手に期待することがあります。
たとえばあなたが奮発して、レストランで5000円のステーキを食べるとき、「とても軟らかい肉が出てくるのだろうな」「お店の店員さんも行き届いたサービスをしてくれるのだろうな」ということを期待します。