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本当に賢い人の 丸くおさめる交渉術
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15 相手を喜ばせれば、交渉は有利に進む

『本当に賢い人の 丸くおさめる交渉術』
[著]三谷淳 [発行]すばる舎


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人間は合理性だけでは動かない


◆なぜ相手を喜ばせる交渉が効果的なのか



 ここまで読んでいただいたみなさんの中には、まだ「交渉で相手を喜ばせるって、結局は自分がガマンして損しているってことじゃないの」とか、「丸くおさめる交渉って、結局自分が譲って損しているんじゃないの。それでは自分に利益がないし、上司に怒られちゃうよ」と思われる方もいるかもしれません。


 だから、自分が勝つ交渉、相手を打ち負かす交渉のテクニックを知りたいですか?


 たしかに、情報の集め方や出し方、条件の出し方や話し方など、さまざまなテクニックを説く交渉術や考え方があります。特に、欧米流の交渉術は「相手を思い通りに動かすこと」「自分が損せず勝つこと」を目的としているものが多いようです。



 しかし、本当に相手を打ち負かすことが必要でしょうか。交渉で相手を喜ばせてはいけないのでしょうか。


 みなさんも「人間は感情の動物である」という言葉を聞いたことがあると思います。


 これは、言いかえると「人間は合理性だけでは動かない」ということです。


 人は誰でもコーヒーが1杯250円で飲めるけどマスターが無愛想な喫茶店よりも、コーヒーが1杯500円するけど気さくにあいさつしてくれる店員さんがいる喫茶店でコーヒーが飲みたいのです。


 もっと言ってしまえば、人は好きな人からは高くても買いますし、嫌いな人からは安くても買いません。ですから、みなさんが喫茶店のオーナーだったとしたら、少しでもコーヒー豆が安く手に入る仕入れ先を見つけることよりも、お客様に明るく元気にあいさつすることをまずは心がけるべきなのです。


 相手があなたの「ファン」になれば、もう値段のことなど気にせず買い続けてくれますし、あなたのことを口コミで広めてくれますからどんどんファンが増えていきます。


◆相手の期待値を超える方法



 私は、丸くおさめる交渉のためには「相手の喜ぶことをしましょう」「相手の期待値を飛び超えましょう」とお伝えしてきました。


 しかし、相手が喜ぶのは価格だけではありません。


・返事がいつも早いこと

・対応がいつも謙虚で礼儀正しいこと

・納品がいつも早いこと

・商品の性能が良いだけでなく、見た目もきれいであること

・自分にだけ特別な対応をしてくれたこと



 こんなことがあると相手は喜び、たとえあなたの会社の商品が少しくらい高くても、あなたから買いたいと考えてくれるでしょう。


 相手の期待値を飛び超えるとはこういうことなのです。相手が喜ぶということは、あなたが損することではありません。


◆感情的な交渉は時間とお金のむだ遣い



 これらの例と逆に、交渉相手を怒らせて感情的にさせてしまうと、あなたがしている交渉にとってメリットはありません。人の感情は、交渉に悪影響を及ぼすことも多いからです。

あとちょっと譲ってくれれば合意できるのに「あいつに譲るのは嫌だ。譲るのは負けだ」と意地を張られたり、「あいつは絶対許せない。どんな条件でも首を縦にふりたくない」などと思われては大変です。


 感情的な交渉は、決着を遅らせ、時間とお金のむだ遣いでしかありません。無駄な時間に費やした人件費や機会損失(本当は別の前向きなことに使って出すことができたはずの利益)をお金に換算すると大きな損をしていることに気づくはずです。


 交渉は、自分が怒っても失敗。相手が怒っても失敗。


 感情(勝ち負け)でなく、勘定(長期的利益)で判断するくせがつけば、あなたも交渉のエキスパートです。


 それでもときには、相手の態度が横柄でひどすぎるとか、やり口がズルくて許せないと感情的になってしまうことがあるかもしれません。


 たとえば、


・代金を約束した期日までに払わず2週間も遅れて払ってきたくせに、わびの一言もない

・手抜き工事であちこちやり直しをさせなければいけないのに、誠意をもって対応してくれない

・大手で強い立場にいるからといって値段の交渉を一切受け付けようとしないばかりか、「嫌なら売らないよ」と言わんばかりに横柄な上から目線で話をしてくる



 といった場面です。あなたは、このまま相手を許すわけにはいかない、自分がこらしめなければならないと感じるかもしれませんが、実はこういう人のためにあなたの貴重な時間を使うのは無駄なのです。


 ときどき、私の事務所にも「相手の態度がひどすぎるんです。自分の利益なんてこの際どうでもいいですから、相手がゴネ得にならないようこらしめてください。もちろん先生にはきちんと弁護士費用をお支払いします」などと依頼に来られる方がいます。


 しかし、経済合理性のない紛争は感情論でしかなく、このようなことにお金と時間を使うことはおすすめできません


 私はいつも、「そのようなズルい人、無責任な人、傲慢な人はあなたがこらしめなくても、自然と取引先や社内の信用を失い、嫌がられ、淘汰されていきますので気にする必要はありません。それよりもっと前向きなことにそのお金と時間を使いましょう」とお話しすることにしています。


 それを聞いたクライアントはみなさん「その通りですね」と納得され、スッキリした顔で事務所を後にされます。



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