『本当に賢い人の 丸くおさめる交渉術』
[著]三谷淳
[発行]すばる舎
やむなく電話やメールで交渉するときはココに注意
◆有効な交渉手段は1つじゃない
私が弁護士になったころ、お客様との打ち合わせや連絡の手段は、「事務所にお越しいただいて打ち合わせ」「電話」「郵便」「FAX」のいずれかでした。当時は留守番電話がある企業や家庭も少数で、電話がつながらないと連絡をつける手段がありませんでした。
ところが、その後わずか20年足らずでパソコンやスマホ、ネットが急速に普及し、メールやショートメール、FacebookやLINEのメッセージなど、便利なコミュニケーションツールがたくさんできました。
以前は、食事をごちそうになったお礼はメールではなく手紙(しかも封書)で出すのが礼儀だと教わったり、携帯電話に電話をかけることは相手を追いかけ回すようで失礼ではないかと心配したものですが、今では私も常にスマホとタブレットを持ち歩き、クライアントからもメールやSNSを通じてたくさんの連絡が来るのが日常となりました。