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本当に賢い人の 丸くおさめる交渉術
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ビジネス
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21 最初の条件提示は相手から

『本当に賢い人の 丸くおさめる交渉術』
[著]三谷淳 [発行]すばる舎


読了目安時間:5分
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相手のバトナを知り、有利な結論を判断する



 交渉の場面ではついつい自分たちの目先の利益を追いかけてしまい、自分の考える条件をなんとか通そうとしてしまったり、相手の言い分を論破して否定する理由を考えてしまったりします。


 しかし、お互いが目先の利益を求めて張り合ってしまうと、交渉が長引くばかりか、本当は避けたい「感情的な交渉」になってしまうリスクがあります

「損して得取る」という言葉があるように、目の前の条件を譲ってでも長期的な利益を取れるようになれば、今譲った分の何倍もの利益が後から返ってきます。この章ではあなたがLTB(Long-term benefit)を大切にした結果、ずっと得し続けてしまう交渉のコツをお伝えします。


◆相手の条件を率直に聞く



 欧米流の交渉術では、「最初のオファー(条件提示)は自分から先にするのが基本」と教えることが多いようです。


 先に条件を提示するとそれがその後の交渉の基準になるという、いわゆる「アンカリング効果」があるので、自分に有利な結論を導くことができるというのがその理由です。


 ですから、最初に提示する条件は「ある程度図々しくても良いので自分に有利な条件を出すべきだ」と言うのですが、はたして本当にそうでしょうか?



 たとえば、あなたがこれまで所有していた不動産を売却しようと考えて、不動産屋に仲介を頼んだとしましょう。不動産屋には「買い手次第ですが、近隣の相場は4000万円くらいですから、3500万円から4500万円で売れるのではないでしょうか」と言われていたとします。


 そこに、この物件が売りに出されていることを見つけた私ができるだけ安く購入しようと考えて、「2000万円で購入させてください」と最初の条件を出したとしたら、あなたはどのような印象を受けますか?


 アンカリング効果で「そうか、不動産屋は近隣の相場は4000万円だと言っていたけど、実際の購入希望者はそんなに高い値段はつけてくれないんだな」と考えてくれますか。おそらくはそうでなく「4000万円が相場なのに、2000万円で買いたいと言ってくるなんて、相当図々しいか、買う気がないかのどちらかだな」と感じるのではないかと思います。


 あなたがこの物件を3500万円くらいでもいいから売りたいと考えていたとしても、最初に2000万円の条件を出してきた相手が3500万円で了承するとは考えにくいですから、交渉の最初の段階からその後の交渉に熱意を持てず、別の買い手を見つけようとする可能性が高いはずです。



 ですから私でしたら、まず「この物件にとても興味があるのですが、率直なところどのくらいの金額であれば売却を考えていただけるのでしょうか」とたずねて、最初の条件提示を相手にお願いします


 もちろん、先に相手に条件を出してもらうと、相手の本音やバトナなどをうかがい知ることができるのでその後の交渉も進めやすくなります。この物件をなぜ売却することになったのかや、いつまでに売却できればいいのかなどを聞き役に徹して耳を傾けます。



 交渉の最初に聞き出すべき5つのこと、


①相手にとっての最優先事項(価格か、納期か、性能か)

②相手の強みと弱み

③相手の期限 

④相手のボトムライン(最低限達成したいこと)

⑤相手のバトナ



 を聞くことができれば最高です。聞くことの大切さは第4章の「相手の話はすべて聞く」という項目でもお話ししたとおりです。じっくり話を聞くことで相手のことを知ることができますし、相手の満足感を高めることもできるのです。


◆自分から条件提示するときに気をつけたいこと



 このように、私は、交渉において最初の条件提示は相手にしてもらうことが基本だと考えているのですが、すべての交渉で相手からの条件提示を待てばいいわけではなく、ときには自分から最初の条件提示をしなければならない場合もあります。


 このようなときには、「無茶ぎりぎりの条件を提示しろ」と言う人もいますが、私はこれもおすすめしていません。


 たしかに、たとえばこちらは「3600万円以内なら買ってもいい」と考え、相手は「3500万円以上なら売ってもいい」と考えていたとしたら、最初から「3600万円で売ってください」と言ってしまうと相手の思うつぼで、「もっと安い金額から交渉をスタートさせればよかった」と後悔してしまうかもしれません。



 特に不動産や絵画など、相場があってないようなものの値付けは難しいものです。実は弁護士費用も似たようなところがあって報酬額を決めるのは意外と難しく、私はこれまでに依頼を受けたクライアントに費用を請求した際に「こんなに安くていいのですか」と言われ、内心「失敗した」と思ったことが何度もありました。


 しかし、図々しい条件を出してかけひきをする人は「あいつはかけひきを仕掛けてくる油断ならないやつだ」と警戒されてしまいます


 少しくらい目先の利益を失ってでも最初から掛け値なしの本音を伝える「かけひきレスの交渉」をした方が、スピード決着が図れますし、社内からも取引先や業界からも信頼されますので、たくさんのLTBを受けられるに違いありません。



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