『言いにくいことをハッキリ言っても好かれる人の習慣』
[著]能町光香
[発行]すばる舎
「どっちに進めばいいのかわからない」
そんなとき、「運」に身を委ねたくなるものです。
みなさんにとって「運」とは、どんなものでしょうか?
これまで「運がいい人」と話をしてきて、あることに気づきました。
それは、「運」は、「頑固な人」よりも「素直な人」に訪れるということ。
あなたの目の前に「頑固な人」と「素直な人」がいたとしら、きっと「素直な人」と長く付き合いたいと思うのではないでしょうか。
「運」も私たちと同じように、「素直な人」とお付き合いしたいのです。
今思い返すと、あるときから、私にも「運」が味方してくれるようになりました。
それは、「自分らしく生きよう」と決めたときからです。
これまでの自分では想像すらできないことが、起きるようになりました。
・憧れの場所(代官山や京都など)に住む
・いい上司に恵まれ、秘書として楽しく働く
・処女作『誰からも「気がきく」と言われる45の習慣』がベストセラーとなる
・10年間のOL生活を卒業し独立し、自由な時間を得る
・京都の美大で伝統文化を学ぶ
これらは一例にすぎませんが、どれも私が「こうしよう」と強く願ったというよりも、いつの間にかそうなっていたものばかりです。自分の思考を超えた「何か」、それを「運」というならば、「運」が味方してくれたのではないか、と思っています。
「運」は、「素直な人」が好き。
素直な人は、「これ」と決めた道に紆余曲折しながらも実直に進もうとします。その姿を見て、「運」が、そばで応援してくれるのでしょう。
「運」に愛される人になるためには、自分の心に正直になり、自分の歩む道を決めることです。
先日、小学校の同窓会に参加したとき、面白いなと思ったことがあります。
参加者が、一人ひとこと言う場面がありました。
ある人は「平々凡々な人生に飽き飽きしている。この先も平凡な生活が続くかと思うとつらいものだ」と嘆き、一方で、ある人は「波瀾万丈な人生で大変だ。はやく穏やかな生活を送りたい」と不満をもらしていました。
「平凡な人生」を送っている人は、「波瀾万丈な人生」を望み、また、「波瀾万丈な人生」を送っている人は、「平凡な人生」を望んでいたのです。
どうしたら幸せで満足のいく人生を送れるのか。
これは、人間にとって永遠のテーマなのかもしれません。
あらためて思ったのは、「幸せな人生を送っているかどうか」なんて、人と比較して味わえるものではない。自分の心のなかに幸せを感じられるかどうか、それが大切なことである、ということ。
「人生山あり谷あり」というフレーズをよく耳にしますが、前述の2人の話を聞いていると、その「山」が高ければ高いほど素晴らしい人生であるというわけでもなさそうです。
「幸せな人生」な人生を送るためには、まず自分の心に素直になること。そのために、人生の転換期など重要な場面ではもちろんのこと、日頃から「ハッキリと言う」習慣を身につけておくことが重要であることを、本書を通じておわかりいただけたならば著者としては本望です。
今までずっと我慢してきた人にとって、どうすればいいのかわからないかもしれません。そんなとき、ぜひ本書を読み返してみてください。
自分の道を歩もうとするとき、「ノー」と伝えなければならないときが必ずやってきます。そんなとき、「試されているんだな」と感謝の気持ちを持って、おじけずに「ノー」と伝えてみてください。
そして、あなたが「イエス」「ノー」をハッキリ言えるようになったとき、周りを見渡してみましょう。
「あれ、なんだか人生が変わってきている」。そう思えたなら、あなたは、自分の「人生の舞台」に立つことができたということです。
最後になりますが、私の執筆をそばで優しく支えてくれたすばる舎のみなさん、また、この本にたずさわってくれたすべての方々に、心からお礼申し上げます。
そして、何よりも本書を手に取ってくださったみなさまとお会いできた奇跡に感謝いたします。本書が、微力ながらみなさんのお役に立つことができれば、著者としてこれほど嬉しいことはありません。
正々堂々と「人生」という名の道の真ん中を歩き、「自分らしい人生」を歩んでいきましょうね。みなさまの人生が素晴らしいものとなりますよう、心より願っています。
横浜にて 能町光香