『ハリルホジッチ 勝利のスパイラル』
[著]ローラン・ジャウイ
[著] リオネル・ロッソ
[発行]日本文芸社
PSGの幹部たちは、例外的な誠実さを示し、異例の心づかいをした。ハリルホジッチが一刻も早く家族のもとに帰れるよう、プライベートジェットの手配までしたのだ。大きすぎる哀しみに、誰もが心を痛めていた。
ハリルホジッチは一週間ユーゴスラヴィアに滞在した。葬儀が行なわれ、肉親たちの世話に忙殺された。最愛にして献身的な息子として、父親の話を何時間も聞いた。このとき、ハリルホジッチは、両親を愛するのに理由などいらないことを確信する。この確信により、彼のあらゆる自信がぐらついた。ハリルホジッチはいつも、父親には息子を誇りに思っていてほしいと願っていた。