『ハリルホジッチ 勝利のスパイラル』
[著]ローラン・ジャウイ
[著] リオネル・ロッソ
[発行]日本文芸社
ハリルホジッチは両極端の人生を生きていた。人道支援物資の危険な輸送に携わった翌日には、パリの高級ホテルの豪華なサロンにいる。またしても運命は気まぐれだった。
ホテル・コンコルド・ラファイエットのバーにいると、戦争がひどく遠いところのことのように思われる。ポルトマイヨ駅はモスタルの街より人当たりが良かった。ベルナール・クイネルは、自分の右腕でボーヴェの事務局長のエディ・コルリーを連れてきていた。二人は居心地が悪そうだった。目的は一つ、ハリルホジッチを説得すること。勝負はやってみなければわからない。エディ・コルリーは言う。
「私たちに確信はなかった。