『ハリルホジッチ 勝利のスパイラル』
[著]ローラン・ジャウイ
[著] リオネル・ロッソ
[発行]日本文芸社
ディナモ・ザグレブの後、再びフランスへ帰国。今回はごく短期間だった。荷物を置いたと思ったら、すぐ出発することになった。というのも、早々に電話が鳴ったからだ。今度の電話はアフリカ大陸からだった。
ハリルホジッチは相手の話を礼儀正しく聞いた。アルジェリアのサッカー連盟会長からだった。モハメド・ラウラウアは礼節の人で、説得力のある話のできる人物だった。情報文化省の有力幹部でもあった人物で、非常に権力のある、強い影響力をもったアルジェリア公共テレビを経営していた。顔の広い男である。前任のアルジェリア監督のクビを切ったばかりだった。アブデルハック・ベンチハは、アルジェリアチームが嫌われ者の隣人モロッコに負けた後、監督の地位から追い出されたのだ。屈辱的な敗戦だった。