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こじらせない練習。――「今」に生きる人のための心理学
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生き方・教養
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1 傷つきやすい人は、今に生きていない

『こじらせない練習。――「今」に生きる人のための心理学』
[著]石原加受子 [発行]すばる舎


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◆相手に「傷つけられた」と言うけれど


「どこにいても、傷つけられてばっかりいます」


 と言った女性がいます。


 彼女だけでなく、「傷つけられてばっかり」と主張する人たちが少なくありません。


 どうして彼らは、傷つくのでしょうか。


 彼らの周辺では、ほんとうに傷つくことばかりが展開しているのでしょうか。


 あるいは、「傷つかない」ための予防法や対処法はあるのでしょうか。


 最近、この「傷つく」ということで気づいたことがあります。


 それは、「傷つきやすい人たち」は、「今に生きていない」ということでした。


 まず私たちは、どんなときに「傷ついた」あるいは「傷つけられた」と感じるのでしょうか。


 相手から悪意を向けられていることに気づけば、もちろん「傷ついた」と感じます。積極的な悪意でなくても、相手の身勝手、無関心、不誠実でも傷つきますし、誤解から傷つくこともあるでしょう。


 自分の受け止め方や解釈の仕方によって「傷ついた」と感じてしまうことがあります。そんなとき、相手に悪意があって傷つけられたと解釈してしまうこともあるでしょう。


 また、傷ついた状態をどう解釈するかという点においては、「私が傷ついた」と捉えるか、「相手が私を傷つけた」と捉えるかでも、違ってきます。


 このとき「私が傷ついた」というふうに捉えれば、「傷ついた私の心を救う」ために、自分をなんとかしようと考えたり、どうすればいいだろうかという思考に発展しやすくなるでしょう。他方、「相手が私を傷つけた」というふうに捉えれば、「傷つけた相手が悪い」ので、悪い相手をなんとかしようとしたり、どうしたら相手が自分を傷つけないようになるだろうかという思考に発展しやすいでしょう。


 こんなふうに、傷ついたことをどう捉えるかで、次の自分の思考も言動も、場合によってはまったく正反対のベクトルへと向かいます。


◆自分の思考で自分を傷つけている


「今に生きていない」というのは、こういうことです。


 例えば、「すべての人間は、他者に対して悪意を抱いている」と信じ込んでいる女性がいるとしましょう。


 パソコン操作で言うと、この「人は悪意を抱いている」が基本設定となります。


 彼女が自分の目で見る世界は、その設定通りに悪意に満ちています。


 ある一人の人間が、そんな彼女に笑いかけました。


 相手は彼女に対する好意の気持ちを、笑顔という形で表したのです。


 けれども、彼女は他者に対して、

「人が私に好意を抱くわけがない」


 というふうに信じています。そんな目で見れば、その笑顔さえも、

「相手は、私をバカにして(あざ)(わら)ったのだ」


 というふうに映るでしょう。


 このとき彼女は、相手が彼女に向けている「〈今〉の感情」をそのまま感じたわけではありません。


 彼女は「人は悪意を抱いている」という色づけした自分のフィルターを通して、


笑顔→悪意に受け止める→自分を嘲笑ったと思考する→傷つけられた



 という流れで、相手の笑顔を「思考」で捉えます。そして自分の色づけされたフィルターで思考し、「自分を嘲笑った」と判断しています。さらにまた、そのことで「私が傷ついた」というよりも、「相手に傷つけられた」という思考で傷ついているのです。


◆もっとシンプルに受け止められるはず



 もしこの場面を単に場面として捉えるならば、存在するのは、

『相手が笑顔になっている』


 という事実だけです。


 この事実を、事実として受け止めることができるなら、彼女は、相手のその笑顔を笑顔として「自分が感じる」ことができるでしょう。


 色づけされた思考のフィルターを通さないために、相手の好意を、好意として感じることができるでしょう。それは、相手の好意に、彼女の心が(おん)()のように〈共鳴する〉からです。

「相手を感じる」というのは、こういう〈共鳴現象〉のようなものです。


 そんなときの自分には、「笑顔の意味を推量したり、相手の笑顔の意図を勘繰ったり、その笑顔を自分のフィルターで判断する」といったよけいなものはいっさい入っていません。

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