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こころが折れそうになったとき読む本
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1 「自分を捨てる」ことで、好きなだけ手に入る

『こころが折れそうになったとき読む本』
[著]川村妙慶 [発行]ゴマブックス


読了目安時間:7分
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 人間というのは年齢を重ねれば重ねるほど、「荷物」というものが増えてきますね。そうなると部屋じゅう物だらけになります。


 部屋をすっきりさせるコツは「捨てる」ということだと聞きます。過去の思い出の物など捨てられないから、どんどんたまってくるのもわかりますね。


 さて、人間のこころにも「捨てられない」ものがたくさんあります。


 地位、名誉、実績、プライド、過去、失恋、恋愛、怒り、喜び、幸せ……。


 これらのものは、一度手に入れたものです。何が何でも手放したくないのです。


 もしこの本を手にとり、このページに興味を持ったとしたら、あなたは何らかの挫折、悩み、悔しいことを経験している真っ(ただ)(なか)の方なのではないでしょうか。


 そこでぜひ、知っていただきたいのは、手放したくないという“執着心”を捨ててこそ、「いただけるものがある」ということです。



 都にある寺のご住職と子どものお話です。


 ご住職は、(こん)(ぺい)(とう)の入った(びん)を持っていました。子どもたちは毎日その金平糖を目当てにやって来ます。


 ある時、お坊さんが言いました。「手に持てる分だけ、金平糖をあげるよ」。子どもは瓶に手を入れ、できるだけたくさんつかもうとしますが、瓶の口が狭くて手が抜けません。手をゆるめればいいのですが、それではせっかくつかんだ金平糖がこぼれてしまいます。


 子どもたちは「たくさん取りたいのにもらえないよ」と泣きます。


 それを見てご住職は言いました。「瓶から手を抜いて、両手の手のひらを上にしてごらん」。子どもたちは言われるまま手のひらを空に向けました。ご住職は瓶を逆さにして、両手いっぱいに金平糖をのせてくれたのです。


 つかもうとすると片手のみのほんの少ししか金平糖はいただけません。その時の手はつかもうとする下向きです。


 手の力をゆるめ、両手を反対に空に向けると、上から金平糖が落ちてきました。


 何が何でも自分のものだと思ってすべてをつかもうとすると手に入らないけれど、いったん手放してみると、いただけるものがある――それを教えてくれる説話です。


 あなたが今、何かに行き詰まりを感じていたとしたら、あなたが放せないものを一つ捨ててみませんか?


●有名になりたい


 嫉妬、怒り、()()、悲しみなどは物事に対する執着から生まれる気持ちですが、実は私も20代~30代の頃は「有名になりたい」という欲にとらわれていました。


 寺の娘として生まれたものの、夢が捨てきれずアナウンサーを目指します。また自分自身が有名になりたかったのです。


 名前さえ出れば、仕事も恋もお金も人間関係もついてきて、幸せになれる――そう思い込んで、依頼があった仕事はすべて引き受けていました。


 スケジュール帳が埋まることで安心していたのです。でも、気づけば自分の特長やウリはなく、やがて周囲のライバルたちにばかり大きな仕事が回るようになり……。私はいつしか彼女たちと自分を見比べ、嫉妬ばかりするようになっていました。


 そんな時、当時所属していた事務所の社長から「マネージャーになってほしい」と言われたのです。


 失意のどん底です。

「何で私が人の世話をしないといけないの? 私が有名になりたいのに……!」


 理由を聞くと、「川村君! 君はタレントに人気があるんだね。仕事のことで落ち込んだ時、君に悩みを聞いてほしいという子がかなりいるよ。あんな人がマネージャーだったらいいなと皆言ってるよ」と。


 まるでアナウンサーの仕事は向いてないとつき離されたようでした。


 アナウンサーとして有名になりたいと思えば思うほど、「タレントさんの裏方で働いてくれ」という現実を叩きつけられたのです。


●欲を捨てていただいたもの


 そこで、私はアナウンサーになりたいという“執着”を捨てることにしました。


 33歳で関西の生活を引き払い、九州・()()港の実家の寺に帰りました。その後は兄と二人、できることから始めていきました。寺の周りの掃除をしたり、門司港の施設で「命をテーマとした芸術展」を毎年企画したり、寺で人形芝居をしたりするうちに、近所の人が声をかけてくださるようになり、(もん)()さんも少しずつ増えてきました。


 そしてネット上で「日替わり法話」を更新することにしました。


 すると私の元に「妙慶さん! 悩みを聞いて」と毎日のように読者からメールが来るようになったのです。私にとっていろいろな方の悩みに向き合うことは、全く苦痛ではありませんでした。むしろ「どうか一人ひとりが輝けますように」と願いを込めながら返事をしていたのです。


 その時、ふと思いました。


 昔、事務所の社長の「マネージャーにならないか」の一言は、私が人と向き合う仕事が向いているというのを見通していたのです。

「そうだったんだ! 僧侶という仕事が私には向いているんだ」と素直に喜べるようになりました。それから僧侶としての仕事が始まったのです。


 また、私が学んだことは、自分に与えられたことを喜んでさせてもらうことの大切さなのです。これは自分の活力に変わるのです。


 そして、その結果が認められたのなら、喜べばいい。でも、こうしたらこうなるはずだと損得を考えて、頭を働かせてはだめですね。



 講演の依頼があったとき、別の仕事がある場合は無理をせず、お断りさせていただいています。ところが、不思議とまた違うところからお声をいただくのです。「渡したくない」「失いたくない」という執着を捨てると、自然と新しいものが入ってくるものです。


 結婚も同様でした。40歳を過ぎて結婚をあきらめたころ、自分にできること、として始めた「悩み相談」のあて先に、以前から慕っていたある方のお父様から「息子と結婚してほしい」というメールを頂戴し、今の夫とのご縁をいただいたのです。


●「心がスキっとする」6つのコツ


 ここに、はりつめた気持ちをほぐす妙慶流とっておきのコツをご紹介します。

1 入浴や洗顔する時、嫌なこと、悔しいもの、忘れられないことも一緒に洗い流していく。すると「スキっと」しますよ。

2 紙に書き出してみる。自分にとって大切なものを紙に書き出すことで客観視し、優先順位をつけてみる。

3 こころにたまった捨てられないものは何? バッグの中身と一緒で、こころにも執着がいっぱいたまっています。今、私にとって本当に必要なのは3分の1ほど。出してみて、本当に必要かどうか考えてみる。

4 大きな声で泣いてみる。「涙」という字は、泣いて自分を取り戻すと書く。怒りなどをため込まず、涙とともに追い出す。

5 自分から折れてみる。相手に譲る(我を柔らかく)することで、人間関係を円滑にするきっかけをつくる。

6 腹がたったらスポンジを触る。スポンジは柔らかく曲がり、吸収し、いろいろなものを吸収します。また、どんなことがあっても必ず元の形(元の自分)に戻るしなやかさがあります。これが石だと自ら曲げません。お茶碗を洗いながら、車を洗いながら柔らかく柔らかくと自分に言い聞かせましょう。


 柔らかさの中に強さがあるのです。柔らかさは、必ずやり直せるバネがあるのです。


 今の状況をバネにしていきましょう。必ず、あなたは、「あなた自身」になれる種をもっています!


 それが成功という言葉なのですよ!


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