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『幸せになるために捨てるもの84のリスト』
[著]中野裕弓
[発行]日本文芸社
仕事で何か失敗をする、プライベートで失敗をする、人間関係でヘマをした……。そんなとき人は、つい「反省」をするものです。その日、ベッドに入って、今日の失敗をあれこれと思い返し、「なんて自分はバカなんだろう…」、「本当に情けない…」と一人反省会をする人もいるかもしれません。私自身も、企業に勤め始めたころは、一人反省会の常連でした。
これは幼いときから、「反省のないところには、成長もない」とことあるごとに教えられ、私たちの心の奥深くに刷り込まれているからなのでしょう。
でも本当に人を成長させるのは、そういう「反省」ではありません。反省は、どうしても自己嫌悪や自責の念をともないます。反省ではなく、事態を分析し、そうならないために次はどうするかだけを考えることが成長の糧となるのです。
たとえば、大切なものを落として壊してしまったとしましょう。そんなときは、「ここに置いていたから、落ちてしまった。次はこっちに置けば安心」と分析すればいいだけなのですが、どうしても反省をすると、「私ってダメね」、「私にはそういう注意力のないところがあるのよ」と、自分を責める感情だけがあとあとまで残ってしまうのです。
いつもこういう自己批判型「反省」をする人は、幸福をつかむパワーも少ないといえます。その人たちの口癖は、「申し訳ありません」、「ごめんなさい」、「すみません」。このように、常に自分がダメだとどこかで思っている人は、人生のいろいろな物事を手がけてもうまくいかなかったり、また、「自分には無理だ」とアクションすら起こさない場合が多いのです。これでは、幸せになるチャンスも減ってしまうというものです。
自己批判につながるような「反省」という感情は、あなたが成長し、幸せになるためには必要のないものなのです。
自分を責めても、事態は変わらない