『電通の深層』
[著]大下英治
[発行]イースト・プレス
一方、電通の成田会長にとって、NHKの海老沢会長は、目の上のたんこぶだった。
電通は、海老沢会長を潰すために、海老沢自身のスキャンダルを探した。しかし、カネも女性問題も、一切出てこない。
そこで、あらゆる手段を使って、海老沢会長をNHKから追い出す作戦に出た。
二〇〇四年、『週刊文春』七月二九日号にNHKのスキャンダル記事が掲載された。
「みなさまの受信料で甘い汁 衝撃の内部告発NHK紅白プロデューサーが制作費八〇〇〇万円を横領していた!」
マスコミにNHKのスキャンダルが出たのは、初めてのことだった。それまで、すっぱ抜かれそうになったスキャンダルは、すべて防ぐことができていたからだ。